そんなこと聞かなくても分かるでしょう?
あなたしかいないに決まっているじゃない。
「あたし?あたしは…何て言ってほしい?」
また意地悪しちゃった。
「べっ別に?」
強がらないでよ。
ちょっと意地悪しただけだよ?
恥ずかしいからちゃんと聞いて…。
優くんの腕を掴み、じっと瞳を見つめる。
「嘘だよ!あたしが必要な人は、優くん…あなたよ?」
みるみるうちに真っ赤になっていく優くんの頬。母性本能をくすぐられる。
今すぐ抱きしめて欲しい。
「百合…俺もだよ…だから俺のそばにいて…」
まるで、子供のようだった…。
「うん…ずっといるよ…」
優くんの瞳がまだ幼い子供のように見えた。
「じゃあ…指切り」
「優くん可愛い!指切りね?」
そう言った優くんが、愛しく思えた。
絡まる指と指。
赤い糸が繋がって見える。
「百合…」
そして優くんはあたしの唇を奪っていった…。