授業終了のチャイムが鳴り響く。
今日、全然授業に集中出来なかった。
理由は優くんがずっとあたしを見つめてくるから。
先生の話を聞かずに、体を伏せてあたしをずっと見てくる。
だから何度も注意されるんだよ。
「優くん、先生に怒られすぎだよ~!面白かった!」
帰宅中、茶化してみる。優くんは顔を真っ赤にして照れていた。
そんな優くんが可愛くて仕方ない。
「やめろー!ていうか百合、今日ヒマ?家に来ない?」
「えっ!?うん…行く…」
もう少し一緒にいたかった。
もしかしたらキスできるかもしれないし。
欲望が芽生え出す。
「やった!んじゃ決まり!」
ルート変更。
あたしたちは優くんの家を目指した。
思い出す、あの光景。
冬のあの日。
でもあたしたちにはもうそんな距離はない。
忘れよう。
「ただいま~」
「おじゃましま~す」
久しぶりの優くんの家。家庭の匂いが広がる。
中に入ると薄暗かった。誰もいないのかな?
そして優くんはあたしを部屋に案内する。