「今日も楽しかったねぇ!」
「楽しかった!ミスしなかったしさ!」
タオルで汗を拭きながら、ペアの子と会話しながらコートから出ていく。今日の部活は終了。
今日はいつもより楽しかった気がする。
気持ちが違うからかな。
あたしは気づかなかった。
あなたが緊張して待っているなんて。
「…百合…」
どこからか聞こえてくる声。
聞き間違えるわけがない。
この声は…。
「…鈴木くん…?」
声が聞こえてきた方へ顔を向けると、そこにはやはり、あなた。
暗くて表情まで分からないけれど、きっと優くんは緊張しているのだと悟った。
言葉から伝わってくる。
「百合…少し話せる?」
「うん…」
だからあたしまで緊張してしまうの。
優くんの話はあたしにとって吉報?凶報?
どちらでもいいから、答えを教えて…。