あの香水の匂いの中で包まれたあたしの体は熱を帯びる。
そして染まっていく。
真っ赤な薔薇のように、愛情が染まっていくのだ。
夜空に投げた願いは、叶うのかな。
抱きしめられたとき気付いた。
答えまではあと少しだと。
だから信じて待ってもいいよね。
優くんが出した答えを聞かされたのは、抱きしめられてから、少し経ってからだった。
優くんは気付いていたかな?
この日のことを。
あたしは気づいていたよ。
再び、一緒に歩もうと決意した日は、あたしたちの記念日だった…。
この日も二年前のように、空には星がたくさん散らばっていて、三日月が笑っているようだった。
忘れないよ、絶対に。
あたしは世界一幸せだったから。
まさか、またやり直せるなんて思っていなかったあたしは、普段と同じように授業を受ける。
優くんもいつもと変わらなくて、まだあたしたちの間には距離がある。