職員室に向かい、林先生のデスクに集まるあたしと園田くん。
目の前には大量のプリント。
「これをね、ページ順にして欲しいの。二人で協力すればすぐ終わるから!お願いね?」
にっこりと営業スマイルを見せる先生。
あたしたちは「はい」と素直に返事をして、座りながら作業をしていく。
夕方の職員室。
何だかいつもと違う雰囲気。
あの、図書館のことを思い出す。
優くんとキスをした日も、これくらいのオレンジ色だった。
鮮明に思い出すことができる。
まだ全然色褪せていないよ。
「小林さん、元気ないね」
すると突然、園田くんがこう言ってきた。
下を向いて、作業をしていたあたしは顔を上げて「えっ…」と声を漏らす。
「女の子は笑った方がいいよ」
まさかそんなことを言われるなんて思ってもいなかった。
あたしってそんなに笑っていないのかな?
でも前よりは心から笑っていない気がする。
あなたの存在がすっぽりと抜けてしまっているからかな。
…ガラガラ。
古びた音と共にドアが開く。
近づく、あなたの影。