一瞬でもいいから、あたしとの想い出を思い出して欲しかった。
無駄な反抗かもしれない。
優くんには広瀬さんというれっきとした彼女がいるんだもの。
ごめんね。
でもこれくらいしかあたしにはできない。
太陽が傾いていく。
朝から昼へ、昼から夕方へ。
「今日はこれでおしまいです!さよ~なら!」
先生が締めの言葉を言って、みんなは解散する。
すると先生はあたしの席に歩み寄り、「職員室に来てくれるかな?」と一言こう言った。
園田くんにも同じことを言っていたようだ。
きっと学級委員の仕事があるのだろう。
先生と園田くんとあたしは一緒に教室から出ていく。
その時、先生は歩くのをやめて、もう一度教室に戻って行った。
「斉藤くん!あとで鈴木くんに職員室に来るように言っといて!」
優くんがあとで職員室に来る。
そんな期待を抱いて、職員室に向かった。
でもこれが苦しさの始まりだなんて…想像もしていなかった。