一枚ずつページを開く度に二人の愛を感じることができる。
カメラに向かって、ピースサインをする斉藤くんと沙紀。
斉藤くんだけの写真。
沙紀だけの写真。
そして恥じらうことなく、キスをする二人の写真。


次第に笑みが溢れていく。



「すごい幸せそう!順調そうだね」



「えへ!想い出ってさ、アルバムにすると幸せが増える気がするんだぁ…人に知ってもらわなきゃ想い出が可哀想でしょ?」





「そうだね…」



沙紀の言葉に言葉が揺れる。
優くんとの想い出は、心にしまったまま。
誰かに見せたことなど一度もない。
人に見せたら、今のあたしのように、笑ってくれるかな。


あたしたちの想い出は決して綺麗なものじゃない。

けど磨けば綺麗になるかな…。




「あ、鈴木くんが来た!挨拶してくるね」




そう言って、沙紀は優くんの元へ行ってしまった。


ちらつく二年前。
前は四人で過ごしていたよね。



あれはもう遠い過去のような気がした。
今ではそれを客観的に見ることしかできない。