ちっぽけなあたしを大事にしてくれた。
ありがとう。
「斉藤くん変わってないね。」
「どーせならかっこよくなったとか言ってくれよ!」
「無理無理無理!口が裂けても言えないよ」
すると沙紀が手を思いきり振って、斉藤くんの言葉を全否定した。
変わってないな、と改めて思わせる。
まるで夫婦漫才のよう。
「うるせーな!!」
「本当のことだし!あ、百合に見せたいものあるんだ!」
そう言って沙紀は次に沙紀の席へと向かっていった。
そのあとをついていく。
沙紀はカバンの中からある物を取り出した。
「はい!見て!」
「ん?なに?」
彼女が差し出したのは、分厚い手帳のようなもの。
表情に《フォトアルバム》と書かれていた。
「歩と私の想い出!」
幸せそうな笑顔を向けてくる沙紀。
あたしは一枚ページを開いた。