あたしに関わってくれる人たちは、何故こんなにも心が広いのだろう。
みんなの優しさに助けられて、あたしは何を恩返しできる?
最後まで…人は優しかった。
消えてなくなるときも、怖くはなかったんだ…。優くんを想いながら、世界を変えることができたから…。
だから今あたしがいる世界には、あなたの笑顔しかないんだよ。
「ありが…とう」
沙紀の腕をぎゅっと引き寄せて、教室に入っていく。
教室にはまだ優くんの姿はなかった。
「歩ー!百合が来たよー」
沙紀は教室の真ん中まで歩いていく。
春風が金髪の彼氏の髪の毛の間をすり抜けていく。
眩しい髪の毛。
彼の笑顔も眩しかった。
「斉藤くん、おはよう」
斉藤くんと喋るのも久しぶりだ。
彼もあたしをまだ友達だと認めてくれる?
「おっ、久しぶりー!元気そうだな。またよろしくな?」
みんな、温かかった。