咄嗟に後ろを振り向いて相手を確認した瞬間、ほっと息を吐いた。
そこには沙紀がいたのだ。
久しぶりにみる沙紀の姿。
髪の毛伸びたね。
すごく可愛くなった気がした。
「さ…き。あ、おはよう!また同じクラスだね?」
沙紀とは二年生のクラス替えで離れてしまったため、あまり関わりを持っていなかった。
沙紀は優くんとも関わっていたし、何となく相談など出来にくくて…。
沙紀まで巻き込みたくないという自分がそうしていた。
沙紀はどう思っていたかな。
あたしなんてもう友達じゃない?
「チャイム鳴っちゃうよ?ほーら!早く教室入ろー」
すると沙紀はあたしの腕に自分の腕を組んで笑顔で見つめた。
あたしを友達だと認めてくれる?
「沙紀…あたしのこと怒ってない?」
安里くんとのことも全く話していないし、沙紀と連絡もとっていなかったし…。
涙腺がゆるむ。
「怒ってないって!百合が言いにくかったこと、知ってるから…。もういいじゃん!」