だけどこの日の夜、不思議な夢を見た。



真っ白な世界にいるのはあたしと優くんと広瀬さんだった。


優くんは広瀬さんに優しく接する。


そんな姿を見たあたしは急に悲しさが込み上げてくる。



そしてこう言うのだ。
我慢できなくなった言葉を。
浮遊し続けた言葉を。



「優くん…あたしのこと忘れちゃったの?」




そう言うと優くんはこう言った。




「百合のこと忘れてないよ…」



「嬉しい…。じゃあ、あたしのとこに来てよ…その子を置いてあたしのとこに来て?」




ぽろぽろと涙を流す広瀬さん。
泣きたいのは分かるよ。あたしだって泣きたいもの。
それぐらい優くんが好きだもん。



「…そんなことはできないよ」



優くんは首を数回振って下を向いた。
そんな行動を見て苦しくなる。


なぜあたしじゃダメなの?



「何で…?あたしのこと忘れてないんでしょ?あたしのこと大事なんでしょ…?」



「百合も大事だよ、でもナナが大事なんだ…」



分からないよ…。



「優くん、あたし悲しい。優くん…ちゃんと選んでよ」



「今の俺にはできない…」




悲しいよ、苦しいよ。
素直なままに行動してよ。




「優くん…あたし、あなたが好き」





大好きなの。
もう張り裂けそうだよ。


もし気持ちを伝えたら、素直なままに行動をしてくれますか。