出逢いの瞬間。
おかしく鳴り響く心臓。
全て覚えているよ。
体が覚えているよ。
ゆっくりと空を見上げると、空が笑いかけてくれたような気がした。
だから少しだけ気持ちが楽になったのかな。
慣れた道を歩いていき、学校に向かう。
この着なれた制服ともあと少しでお別れなのか。汚れた茶色のローファーも、型崩れしたカバンも。
ねぇ…
思い出とはお別れしなくてもいいかな。
…学校に着いて、まず初めに向かったのはあの場所だ。
クラス発表がされている掲示板。
掲示板にはすでに沢山の人が溢れていたが、自分の背の小ささを利用し、人と人との間をすり抜けていく。
そして掲示板を見た瞬間、目を疑うのだった。
簡単に見つけられた自分の名前。
クラスは1年2組。
そしてあたしの名前の隣には…あなたの名前。
息が止まってしまうくらい嬉しかった。