「今日から三年生なんだからしっかりするのよ?」



リビングに向かうとお母さんに早速こんなことを言われた。
あたしはパンをかじりながら頷いて聞いていく。



「分かってるよ!」




「あと留学の話、先生にしてみなさいね」



「…うん」



パンを皿の置いて、マグカップに手を移す。
お母さんは留学することを大賛成している。
きっと本人が昔留学していたからだろう。
外国の世界を味わって欲しいからなのだろうか。

もし留学ができるというのなら、行くと言うだろう。
自分も外国の世界には興味があるし…。
自分の成長に繋がるはずだろうから。


でも何かな。
すごく引っかかる。





神様は知っていたの?
これから起こる、全てのことを…。




…朝食を食べ終わり、学校に向かう。
気持ちのよい春の気温。真っ青な空が笑っている。


春になるとやはり優くんのことを思い出してしまうよ。