綺麗なものが好きな女の子にとって興奮しないわけがない。
あたしと瞳はキャリーバックを放置して、窓側へと駆け出す。
「うっわー!綺麗ー!」
「こんな綺麗な景色初めて!」
人工的に作られた夜景よりも、自然に作られたこの夜景の方が何倍も綺麗だ。
あたしたちは思わずうっとりとしてしまう。
「こういうの彼氏と見たいよねぇ…」
瞳が思わず言った一言が切なく聞こえた。
あたしは「うん…」と言って、今朝のことを思い出してしまう。
急に悲しさが込み上げてくる。
「瞳、あたしちょっと外行ってきてもいい?」
「いいけど大丈夫?ついて行こうか?」
「大丈夫!整理したいの。」
そう言って、あたしは部屋をあとにした。
ホテルから一歩出れば、波の音が広がる。
心地よい音。
いつまでも聴いていたい。
ふと、空を見上げるとそこには満天の星空が広がっていた。
あたしは記憶の中からある言葉を思い出す。
小さい頃、お父さんから教えてもらった言葉を。
なぜこの時思い出したのだろう。
多分きっと、星空があたしを応援してくれたからだよね…。
星空に向かって呟く。
流れ星の意味を…。
「流れ星って…誰かの願いが叶う頃に流れるんだって……」