未来は、何が起こるか分からない。
まだ知らない未来を見たいから前に進むのだ。
あたしの未来に優くんはいるのかな。
そう考えると何だか怖い。
キャリーバックを車のトランクに乗せて助手席に座る。
パステルピンクの車が、空港へと運んでくれる。
「楽しみね?沖縄。お母さんも沖縄行きたいなぁ」
「うん。楽しみ!また帰ってきたらお土産話聞かせるね!」
「気をつけてね」
横を向いて、あたしを見つめて笑ったお母さんを見て少しだけ『行きたくない』と思ってしまう。
お母さんが大好きだから、離れたくないと思った。
親ばなれできない自分。きっと一人暮らしなんてできないだろう。
…空港に着き、お母さんに元気よく「行ってきます」と言って、キャリーバックを引きながら空港の中へと入って行く。
ロビーには同じ制服を着た生徒たちで溢れていた。
気づいてくれませんか。あたしの存在に…あなたは…。