あたしが強くなったら、あなたを追いかけてもいいですか?


今走り出したあなたの恋を邪魔なんてできないから…


遠くからあなたを見つめています。
そして、願い続けます。


もう一度、笑顔が見れることを…。




…教室に帰ろうとし、廊下を歩いていると、後ろから肩を叩かれた。
誰だろう?と思い、後ろを振り返る。

そこには…あたしを強くしようとしてくれた、安里くんが立っていた。


安里くんと面と向かって会うのは夏祭り以来だ。

あの夏祭りの想い出がちらついて、安里くんにどんな表情をしていいのか分からなかった。


だから驚くことしかできなかった。
けれど安里くんはあの頃と変わらない笑顔であたしを見つめる。


その笑顔にほっとしたあたしも笑うことができた。



「久しぶりだね。珍しいね、小林が6組の近くにいるなんて」