初めて光景する2年6組の教室。
当たり前だけど、自分のクラスとは違う。
あたしはバレないように捜すのだ。
あの二人を。


そして堕ちるのだ。
真っ暗な世界に。



「…え…」



思わず声が漏れてしまう。
目を疑った。
そして夢だと願った。


あたしは夢を見ているのかな?
嘘よ…嘘だと言って?


あたしが見た光景は、信じられないものだった。

教室の真ん中で、優くんと広瀬さんが仲良く喋っていたのだ。
ふざけ合って、笑い合って。


しばらくそんな二人から目が離せなかった。


久しぶりに見る、優くんの笑顔。
あたしに向けていた笑顔と何も変わらない。
あの、優しい笑顔。


そして広瀬さん。
この前ぶつかった時、顔ははっきりと見えなかった。
でも今、彼女の表情がはっきりと分かる。


小顔で目が大きく、気品に溢れていた。

瞳を見た時と同じオーラを放っている。