そう願っていたのに、あたしは違う世界へと姿を移した。
でもね?
この世界は嫌いじゃないわ。
だってあなたの笑顔で溢れているから。
だから飽きないの。
…着々と修学旅行の準備が進められていく。
夏祭り以来、優くんを見ていない。
クラスが離れていることも原因だと思う。
それと、部活中に優くんはテニスコートの前を通らなくなった。
なぜかな?
あたしは見たいのに。
この想いは浮遊をし始める。
あなたを追いかけたい。あなただけを見つめていたい。
自分の気持ちだけ先走って、優くんを見ていなかった。
優くんは、本当に前に進んでいたのだ。
夏祭りのときに言っていたように、あたしを置いて前に進んでいた。
恋をしてしまったのだ。
相手は、あたしではない。
違う人…。
あたしの知らない女の子。