また芽生える、醜い感情。
今のあたし、あの彼女にヤキモチを妬いている。
自分が醜い。



「俺?俺も少しずつ進んでる」



「良かった…」




本当は粉々になっていた。
本当は嫌だと言いたかった。


でも優くんに気持ちを伝えても、あたしを抱きしめてはくれないだろう。


その時、カバンの中に眠っていた携帯が鳴り出した。
静かな場所に、響き鳴る失恋ソング。


まるで今の恋に終わりを告げるようだった。



携帯を開けて、確認をする。
やはり相手は安里くんだった。



「安里くんだ…あたし行くね」



「道わかる?」




どうして、こんな醜いあたしに優しくしてくれるの?
そんな真っ直ぐな瞳であたしを見ないで。


またあなたの虜になってしまう。



「うん、大丈夫」



「気をつけてね」



「ありがとう、バイバイ」



また零れ落ちそうだった涙を止めて、笑顔を見せる。




あなたの優しさは素直にあたしの心に溶け込んでいく…。