安里くんは時々ドキッとさせることを言う。
だから恥ずかしくて心の準備ができない。


彼の手が強くなる。
温もりが伝わってくる。だけれど頭の中では違うことを考えていた。



あの人は優くんの新しい彼女なのかな?
それとも好きな人?

でもすごい可愛かった。小柄で元気が良くて、可愛くて。

あの人になりたいって強く思った。




あたしと安里くんは花火が始まるまで、出店が並ぶ河川敷を歩いていく。
やはりここも人はすごい。
まともに足元を見て歩けなかった。
安里くんがあたしの前に歩き、手を引っ張ってくれる。


前に人がいるだけで、こんなにも安心できるなんて知らなかった。




「何か食べる?かき氷?俺、かき氷っていったらカルピスなんだよね!百合は?」




あたしを楽しませようと沢山話題をふってくれる安里くん。



だけどあたしの涙はもう限界でした…。