素直になりたかった。
正直に生きたかった。
大切な人を守りたかった。
愛する人の傍に居たかった。
変わりたいと思わなければ、変わることなどできない。
いつまでも過去にこだわってはダメだ。
前を見なきゃ。
前だけを見なきゃ。
あたしは涙を拭いて、携帯を見る。
そしてメールを作り、送信をした。
宛先は安里くん。
内容は…
《27日、あたしと一緒にいて過ごしてください。》
過去とはサヨナラ。
できるよね?
できるわよね?
あたしなら大丈夫よね?
この時は自信があった。サヨナラ出来るという自信が。
でもそんな自信はすぐに砕けて散ってしまうのだ。
だって、あなたの温もりは去年と何も変わっていなかったから…。
8月27日。
去年は優くんと過ごした。
でも今年は違う。
安里くんと祭り出かけることとなった。
あたしはまた揺れ動く。
向日葵が気持ち良さそうに揺れるように。