あたしが嘘ばかりついて優くんを傷つけてしまった。
優くんはきっとあたしをまだ信じられないと思う。
本当にごめんね…。
あたしは最後の質問に、こう答えを書いた。
《あたしは、あなたの幸せを願っています…》
忘れることはできない。あなたの存在が今でも大きいから。
制服のポケット中に手を入れる。
あたしのお守り。
効果は知らないけれど、存在を忘れたくないから今もここに隠してある。
二つのリング。
また、二人を惹き付けてくれると信じている…。
この一年、沢山のことがあった。
恋、悪戯、失恋、別れ。
少しは強くなっただろうか?
あたしはまだまだ弱い。優くんは強くなったかな?
あたしと付き合って、少しは変わっただろうか?
変わっていて欲しい。
あたしは優くんの幸せを願うよ。
優しさで突き放してくれたから、それに応えなきゃね。
あなたを忘れなきゃ…。何度名前を呼んでも振り返ってはくれないでしょ?
きっとあたしなんかより優くんに似合う人はいる。
もし優くんに好きな人ができたら、あたしは笑顔で祝福したいと思う…。
でも…、
忘れられるまで、このリングは持っていてもいいですか?