涙を手で拭きながら、空を見上げる。
曇った空から落ちてくる滴。
そうか、空も泣きたいのか。
あたしと同じように…。


ぽた…ぽたと地面を濡らしていく雨。
混ざりあう涙と雨。



あたしはふらついた足取りで、優くんの家から姿を消す。
泣き止みたいのに止まってはくれない涙。



この涙は、雨と同じように、しばらく零れ落ちた…。




この日から、あたしは前より泣いているように思える。
プレゼントは、クローゼットの中で眠っている。
二度と見ることがないだろう。
プレゼントを思い出すと、あの優くんの表情が思い出される。

今まで見たことのない冷たい表情だった。



家にいても考えるのは優くんのこと。
会いたいと願っても、会えなくて…
好きだと伝えたくても、伝わらない。



どうしたらいいの…



あたしはあなたを忘れることなんてできない。




…短い冬休みが終わる。思い出は何もない。


あなたを想う毎日の始まり。