「中身何?」
優くんの視線がプレゼントへと移る。
「香水なんだけど…」
優くんにぴったりな香水だよ。
優くんを一目惚れしたようにこの香水にも一目惚れしたの。
「もらってもいいけど、俺つけないよ」
拒否をする優くん。
だけどそれでも良かった。
あなたの部屋にあるだけでも嬉しいから。
「それでもいいから、優くんに似合うと思って買ったの…だからもらって」
あたしの気持ちは届かないのでしょうか。
その次の瞬間、優くんはあたしにプレゼントを押し付けた。
一歩、下がるあたし。
「百合…お願いだから…この香水は違う奴にあげて」
精一杯の優しさ。
ほら、優くんはこんなにも温かい。
「あたし…優くんにもらってほしい…」
涙が、溢れる。
気持ちが、浮遊する。
そして最後にあなたはこう言った。
「俺は受け取れない…
百合を忘れたいから」
あたしは一生、あなたを忘れることはない。
何度突き放されても、また恋をする。
最後のチャンスは、あなたの心に届かないまま散っていった…。