しばらくして、店員がラッピングされた香水を持ってきた。
会計を済ませて、外へと出る。
すっかり冷えきった街に温かい気持ちのあたし。
もうすぐこの街にサンタクロースがやってくる。
あたしは優くんのためにサンタクロースになる。少し遅いクリスマスプレゼントを渡しに行くから、待っていてね。
…日にちが経ち、今日は優くんの誕生日。
12月27日だ。
あたしの誕生日のときに優くんは0時ぴったりに『おめでとう』と言ってくれたが、あたしはそんなこと出来ない。
あたしたちは他人だから。
でも他人のままは嫌だ。だから距離を縮める。
まだ片想いをしていた頃のように。
クリスマスは何事もなく過ごした。
お父さんとお母さんと三人でご馳走を食べて、ケーキを食べて終わった。去年は先輩と過ごしたから、久しぶりに家族で過ごせて嬉しかったけれど。
だけどあたしにはまだやることがある。