温もりだけ戻ってきても空っぽなまま。
あたしは先輩と別れて学校を目指す。
あなたとの距離を縮めるために、向かうのだ。
久しぶりにはめる指輪。少し違和感を感じるがすぐ慣れる。
これがあれば一日耐えられる。
でもこの日、本当の別れが待っていたなんて…知るはずもなかった。
学校に着くと、優くんから呼び出された。
チャンスだと思い、誘いに応じるあたし。
2分の1の確率。
別れか、もう一度か。
優くんの意見をちゃんと聞こう。
あたしは受け入れるから。
あたしたちは人気がいないことを確認し、屋上へと向かった。
隣に並ぶのはいつぶりだろう?
やっぱり未だにあたしは優くんの隣を望んでいる。
ここが一番落ち着くようだ。
過去のことを思い出していたら涙が溢れてくる。
けどぐっと我慢をするのだ。
まだ、泣くときではない。