まだ痛い腕。
先輩の強さがまだ残っている。



先輩が出て行くのを確認したあたしは、はぁ…と息を漏らした。
ベッドに転がる携帯。
あたしは携帯を開けてメールを確認する。
やはり優くんからメールが来ていた。



《今日は楽しかったな♪また遊ぼうね》



メールを読んだ瞬間、また涙腺が緩んだ。


あなたのためなら、あたしは傷ついてもいい。



頭の中をぐるぐると駆け巡る言葉たち。
先ほどの先輩の言葉たちだ。


侵食しないで。
先輩のことなんて考えたくない。




どうか、どうか。
この幸せが続きますように…。
月と星の見えない真っ暗な空に向かって、願いごとをした。


その願いは行く場所がなかったのか、神様へ伝わることなく涙のように、落ちていったのだ。



あたしは優くんが大好きだから、先輩の言いなりになったの。
今更こんなことを言っても優くんは信じてくれないよね。