斉藤くんが指差したものは、ゲームセンターだ。ゲームセンターの中に入っていく若者たち。
それを見てあたしはますます分からなくなった。
きっと優くんもだろう。


「ゲーセン?何で?」



「プリクラ撮ろうぜ」



やはり斉藤くんは突然何を言い出すのか分からない。
プリクラ…?
なんか久しぶりに聞いた響き。
中学生のときはどこか行く度に撮っていたけど、ここ最近撮らなくなったからだ。
理由は、分からないけど。


「何で!?」



優くんは案の定驚いた表情を浮かべる。



「記念にさ。いいだろ?」



記念…か。
確かにいい考えだと思った。
だって、形に残るものだし、いつでもその瞬間に触れられると思ったから。



「いいよ~撮ろ」


沙紀も賛成をする。


「うん、撮ろ!」



あたしも賛成をする。
あとは優くんだけ。



「優もいいだろ?」



「………いいよ」