ゆっくりと手を離すあたし。
一瞬で温もりが消えていく。
《まもなく二番線に電車がまいります》
駅のホームに響くアナウンス。
あたしはこれを聞いて、前へと進むことを決意する。
「じゃあ…行くね」
「うん…また明日ね。帰ったらメールする」
優くんの彼女なんだ、と改めて思った瞬間。
嬉しくて少しだけ涙腺が緩む。
けど泣かないよ。
笑顔でバイバイをしたいから。
「バイバイ」
電車に乗り込むあたし。そしてゆっくりとドアが閉まっていく。
引き裂かれる二人。
あたしは電車の中から手を振るのだ。
また、明日。
もっともっと一緒にいたいよ。
空いた時間を埋めたいよ。
優くん…優くん。
さっき別れたばかりなのに、もう会いたいと思う。
これは恋の魔法。
あたしは電車の中で今日のことを思い返していた。
あたしは優くんと幸せになる。
強く、願う。