そうしたら優くんは、あたしの夢を見てくれる?
優くんがあたしの声に気づき、顔を上げて眠たそうに目を擦った。
「どうしたの?こんなとこで」
そんな姿が愛しい。
誰を待っていたの?
教えてくれる?
「えっと…百合を待ってた」
「あたしを?」
意外な答え。
もしかしたら、相沢を待っているのかなと心のどこかで思っていたから。
「うん…好きな人が教えられるようになったから」
彼の真剣な瞳に吸い込まれる。
閉じ込めて欲しいと小さく願う。
どくんと揺れる。
木々たちも揺れる。
いきなりのことで何て言えばいいのか…
「そうなの?…誰?」
あたしの知っている人?
手に汗が滲む。
呼吸ができなくなる。
すると優くんは立ち上がり、あたしを笑顔で見つめた。
緊張しだすあたし。
もう止められない。
「後ろ向いて?」
「うん」
そう言って、優くんはあたしの肩に触れて後ろを向かせる。