「そっかぁ。頑張ってね!バイバイ」
沙紀は手をふって教室から出て行った。
あたしも後を追うように、教室を出て部室に向かう。
「…相沢さん…振ったのかぁ…」
今日の朝からずっと考えていること。
それは優くんの好きな人のこと。
優くんは好きな人がいるから相沢さんの告白を断った。
納得のできる返答だ。
だけど一体誰なのかな?
不安がまた襲う。
今日帰ったら、優くんに気持ちを伝えようと意気込みを入れてきたのはいいけれど、どうしようかな。
成功…するのかな。
部活中もそればかり気になってしまってミスを連続してしまう。
頭の中から離れてくれない。
優くんの笑顔を全てあたしのものにしたい。
暗くなった空には、輝く星の姿が見えはじめていた。
星空が応援をしてくれてる。
月が微笑んでくれている。
今日、この空を見て決心がついた。
優くんに告白をする。
失敗したっていい。
気持ちを伝えただけでも誇りに思う。
愛するあなたへ。
ただ一言。
…好きです。