ねぇ、覚えてる?

私達が初めて出合った場所。

あの日は桜も綺麗だったよね。

貴方は私に『また、一緒に見に来よう』って言ったよね。

なのに・・・。

貴方は・・・。


貴方と過ごした時間は絶対に忘れることのない思い出。

いままでありがと・・・。



・・・さよなら・・・

貴方とであったのは桜が綺麗な日だった。

その日から私と貴方の人生が大きく変わった。


(綺麗な桜だなぁ……。)

そう思って足を止めた私。

その桜は、遠くで見たときと違い、大きくていちだんと綺麗だった。

そんな時、私と同じくその桜を見ていた人が声をかけてきた。

「君もこの桜が好きなの?」

(新学期そうそうナンパ?ありえない。でも、やさしそうでなんか、かっこいい。)

そう思ってしまった私は、答える気はなかったんだけどつい答えてしまった。

「結構好きかな。ここにある中で一番綺麗だし。」

そう答えた私。そしたら急に笑いはじめた。

「クッ・・・。アハハハ!」

(なっ!?聞いといて笑うなんて最低なやつ!!)

「わ、笑わないでください!!最初に聞いてきたのはそっちでしょ!!」

「ごめんごめん。思ってたことが同じでつい。」

「だからって笑うのはひどいです!!」

「だからごめんって。」

(まったく、おかしな人に話かけられたな。)

そんなことを思いながらもその場から立ち去ろうとしたとき彼が呼び止めた。

私は先に進もうと歩きたいのに、体が勝手に止まってしまった。そして、また彼と話始めてしまった。

「何?」

「名前。」

「はっ?」

「名前教えてよ。」

「他人から聞く前に自分から名乗るのが礼儀ですよ。」

「俺は、長森昂。西南高校に行ってる高2だ。君は?」

「須賀原沙紀。光陵高校に通ってる高1です。」

「光陵って確か西南の方角だよね。しかも、スポーツで有名な。」

「そうですけど。それより、時間が・・・。」

「あぁ、そうだったな。じゃ、またな。」

「もう、会いませんよ。」

「ひでぇ―。」

「ひどくないです。」

私たちはそう言いながら学校に行った。

このとき、私はもう長森昂には会わないだろうと思ってたのに・・・。


学校もぎりぎり間に合い入学式に間に合った。

(朝から学校ぎりぎりなんて・・・。しかも入学式の日に。)

そう思いながらも、先生方の話も終わり、教室に戻って行った。

私のクラスは1年D組。中学の友達もこの中にいる。

(今日からまた新しい始まりだなぁ。)

そんなことを思っていた私に話かけてきた。

中学の頃からの友達、飯崎菜都美。菜都美はすごく可愛くて男子から評判がいい。

「沙紀。どうしたのよボーとして。」

「ボーとなんかしてないよ!」

「じゃ、なんで桜の木見てたのよ?」

「えっ?私、桜の木見てた??」

「うん。真剣に見てた。」

「真剣になんてみてないよ(苦笑)」

「恋でもしたの?」

「恋?恋はしてない!ただ・・・。」

「ただ・・・?」

「なんでもない。」

「何よ!言いなさいよ!!」

「何言おうとしたか忘れた。」

「忘れちゃ仕方がないか。」

「うん。」

私は朝あったことを話そうとしたのをやめてしまった。

どうして、言わなかったのかは私もわからない。

こうして時間も過ぎ、放課後になった。

部活の見学をして一通り見終わったら、校門に向かって歩いてた。

もうすぐ校門に着くと思ったとたん、歩いてた足がとまった。

校門の前に男の人が立っていた。その人は今朝会った、長森昂だった。

(な、なんで彼がここに!!?)

そう思っていたときに、彼が私に気づき、私を呼んだ。

「おーい!沙紀ぃー!!」

(なっ!?今日会ったばかりなのにさっそく呼び捨て!?)

私は走って、彼のところに行き、いつの間にか彼と話してた。

彼を無視して家に帰ろうと思ってたのに・・・(泣)

「よっ、また会ったな(笑)」

「なんでここに居るんですか!?」

「なんでって・・・。そりゃ決まってるだろ。会いたかったから。」

「私は会いたくありませんでした!!」

「相変わらずひでぇーな。」

「ひどくありません!てか、学校まで来るなんてストーカーと一緒ですよ!」

「ストーカーはないだろ(苦笑)」

「で、なんのようですか?」




「何って・・・。朝見た桜見に行くから一緒に行かないかなぁと思って。それと、沙紀に・・・。」

「私に?」

「会いたかったから。」

(私に会いたかった??なんで??だって、今日会ったばっかじゃん・・・。)

私の中は疑問でいっぱいだった。

でも、せっかく来てくれたのに断るのはなんかかわいそうだったから、OKを出した。

そしたら、彼はものすごく喜んでた。

(本当に変な人だなぁ・・・。)

そう思いながらも私たちは学校を後にした。

学校を後にしてから10分が経った。

いまだに気まずいムード。

私は何か話をしなきゃと思い、話す内容を考えてた。

そしたら彼が、話かけてきた。

(考えてた意味ないじゃん!!)

そう思いながら彼と話始めた。

「沙紀は彼氏居るのか?」

(いきなりその質問!!?)

そう自分に言いながらも答えてしまう。

なぜだか、彼には隠し事ができないような気がした。

「今まで彼氏なんて居ないよ。ずーっとフリー。」

そう私が答えたら、彼はさっきよりも嬉しそうに笑って話続けた。

「そうなんだ(笑)」

「わ、笑わないで!!貴方は彼女居るんでしょ。」

「はっ?俺が??そんなもん居るわけねぇーだろ。」

(嘘でしょ??こんなにかっこよくて、やさしそーなのに。)

そんなことを思いながらも、つい気になって聞いてしまった。

どうして、彼女が居ないのかを・・・。

「嘘!?なんで!?」

「嘘ついてどーすんだよ。」

「だって、かっこいいし、やさしそーだから居るかと思うもん。むしろ、居ないのがおかしいって!!」

「かっこいいって思ってくれたんだ(笑)」

「それは・・・。」

(私は何を言ってるの!?今日会ったばっかな人にいきなりかっこいいなんて!!いったい私はどうしたってゆうのよ(泣)!)

私は、そう思いながらも話ながら歩き続けた。

「なんか嬉しいな(ニッ)沙紀が俺のこと見てかっこいいって思ってくれて。」

「なんで?よく言われないの?」

「あんまり言われないな。それにしても沙紀、敬語使わなくなったな(笑)」

「えっ?」

「ついさっきまでは敬語だったのに、今は普通に話してる。」

彼にそう言われて今はじめて気がついた。

(そーいえば、いつの間にか敬語じゃなくなってる。なんで?)

私の中に新しい疑問がまた一つ増えた。

今日はいつも以上に疑問が多い。

(これもすべては彼と居るから?)

そう考えているうちに、桜の木に着いた。

そして、私たちはまた話し出した。

「わぁー、朝よりまた綺麗になってる。」

そう私が言ったとたん、彼が急に笑い出した。

「アハハハハハ!!」

「な、何よ急に!!?笑うことないでしょ!!」

そう彼に言ったら、彼はお腹をおさえながら話だした。

「わりぃ、わりぃ。また考えてたことが同じでついな(笑)」

「また??」

そう私が聞いたら彼は今度は笑いをやめて、私に聞いてきた。

「なんだよ。覚えてないのかよ?」

「何を??」

「マジでなんも覚えてないのか?」

「うん。」

そう答えたら、彼はあきれたように私を見た。

(何?何?なんなのよぉーその目は(泣)!)

私は何のことかさっぱりわからず、彼に聞いた。

「ねぇ、何のことか教えてよぉ。」

「わかった。教えるから泣きそうな声で言うな・・・。」

「泣いてない!!」

「いや、泣きそうだった(ニッ)」

「泣きそうになってないもん!!それより早く何のことか教えて!!」

「おーそうだった、そうだった。」

彼はすっかり忘れていたようだった。

(しかし、なんのことだろ??)

そう思いつつ、彼が話し始めたので私は聞いた。

「今日の朝、俺と沙紀がこの桜の下で会ったのは覚えてるか?」

「うん。」

「その時、沙紀が言ったこと覚えてるか?」

「私が言ったこと??」

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