庭園を歩きながら、ラルカンにジウォンのことについて尋ねた。
「私も良くは知らないのです。お見かけすることはあってもお側に行く事すらできませんし、王太子様から庭園に来られない限りは私が殿下を拝顔賜るなどありえませんから。」
「そうよね。………って、え?あいつ……いや、ジウォン様って庭園なんかに来るの?」
少しだけ口が滑ってしまった事をラルカンは笑いながらも答えてくれた。
「普段は公務でお忙しいので来ることはありませんね。ですがたまーに、ほんとにたまにですがフラッと立ち寄られることがございます。その時は何時も疲れきった顔をしておられますね。」
疲れきって庭園に来るの?え?乙女?
と、思ったしまったことは私だけの秘密にしておいた方が良さそうなきがする。
「彼は、どんな人なの?」
私の質問にラルカンは、しばらく考え込み応えた。
「そうですね。優秀な方なのでしょうけどお兄様のレセル王子からは疎まれていると聞いたことがあります。なんでも、それなりに酷い目にも合わされてきたとか」
ジウォンの兄レセル王子は、齢26歳でジウォンとは5歳差の異母兄弟。因みに私達の結婚式は欠席されていて顔を見たことはない。
弟のジウォンが王太子の地位にいるのは貴族社会ではよくある母親の身分の違いだ。
ジウォンの母親は国王陛下の正室でもあり、高い軍事力を誇る同盟国サルティブ国、国王の愛娘。
一方、レセル王子の母親は側室で更に商家の娘で、そもそも爵位を持たない家の出なのでどんなに早く生まれようと王位継承者になるのは難しいとされるのだ。
5人いる妃のうち王子を産んだのはこの二人だけ。
たかが5歳差ならばサルティブ国への配慮もありジウォンが王位継承者である王太子になるのは何も珍しいことではないのだ。
「ねぇ、ラルカン。レセル王子って今どこに住んでるの?」
私が尋ねるとラルカンは不思議そうな顔をしながらも「王都から少し離れたバルティナ宮にお住まいです」と教えてくれた。
「いつか会ってみたいわね。」
私が言うとアリアスも「そうですね」と静かに言った。
「私も良くは知らないのです。お見かけすることはあってもお側に行く事すらできませんし、王太子様から庭園に来られない限りは私が殿下を拝顔賜るなどありえませんから。」
「そうよね。………って、え?あいつ……いや、ジウォン様って庭園なんかに来るの?」
少しだけ口が滑ってしまった事をラルカンは笑いながらも答えてくれた。
「普段は公務でお忙しいので来ることはありませんね。ですがたまーに、ほんとにたまにですがフラッと立ち寄られることがございます。その時は何時も疲れきった顔をしておられますね。」
疲れきって庭園に来るの?え?乙女?
と、思ったしまったことは私だけの秘密にしておいた方が良さそうなきがする。
「彼は、どんな人なの?」
私の質問にラルカンは、しばらく考え込み応えた。
「そうですね。優秀な方なのでしょうけどお兄様のレセル王子からは疎まれていると聞いたことがあります。なんでも、それなりに酷い目にも合わされてきたとか」
ジウォンの兄レセル王子は、齢26歳でジウォンとは5歳差の異母兄弟。因みに私達の結婚式は欠席されていて顔を見たことはない。
弟のジウォンが王太子の地位にいるのは貴族社会ではよくある母親の身分の違いだ。
ジウォンの母親は国王陛下の正室でもあり、高い軍事力を誇る同盟国サルティブ国、国王の愛娘。
一方、レセル王子の母親は側室で更に商家の娘で、そもそも爵位を持たない家の出なのでどんなに早く生まれようと王位継承者になるのは難しいとされるのだ。
5人いる妃のうち王子を産んだのはこの二人だけ。
たかが5歳差ならばサルティブ国への配慮もありジウォンが王位継承者である王太子になるのは何も珍しいことではないのだ。
「ねぇ、ラルカン。レセル王子って今どこに住んでるの?」
私が尋ねるとラルカンは不思議そうな顔をしながらも「王都から少し離れたバルティナ宮にお住まいです」と教えてくれた。
「いつか会ってみたいわね。」
私が言うとアリアスも「そうですね」と静かに言った。