そうして、朝食を食べ終えた私はアリアスを連れて屋敷中で聞き込みをする事にした。
最初にメイドたちのところに行こうと思ったのだけれどアリアスに「仕事中に邪魔されるメイド達が可哀想です。自重してください。」と言われたので仕方なく庭に出る事にした。
大陸一の大帝国バルザックの王太子とだけあって屋敷に負けず劣らず庭もご立派な事で、花何か興味ない私でも思わず感嘆の息をもらしてしまった。
「すご」
「この庭園にどのくらいお金使ってるんですかね」
「そうね、うちの国の村の運営費…以上はありそうね」
アリアスがあまりに現実的なことを言うからまともに考えてしまった。
「これは、奥様、ようこそマドリーヌ庭園へ。庭師のラルカンと申します。お見知りおきを。」
そう言って庭師のラルカンは、軽くお辞儀をした。
庭師って普通お爺さんとかのイメージがあるんだけど、(実際私の国でもそうだったし)ラルカンは20代くらいの青年に見える。
長髪の黒髪を耳の横で一纏めにしていて切れ長の目も相まってとっても色っぽい。
こりゃ女の子たちを悩殺できるだろうな、何て馬鹿なことを考えていたらアリアスに肘で小突かれた。
「あら、私とした事が余りの美しさに挨拶し忘れてましたわ。改めまして、ジウォンの妻、リナラシーエルと申します。気軽にリノと呼んでくださいね。」
外面笑顔でラルカンに自己紹介をした。
すると、クールな佇まいからは想像できないくらい焦った表情で
「と、とんでもありません。王太子妃様をその様に気軽に呼ぶなど一介の使用人にはできません。」
と、言ってくるので私は何だか可愛そうなことをした気持ちになってしまった。
「そんなの別に気にしなくていいのよ?ここにいるアリアス何て、いつも私の事小馬鹿にしてくるのだから。」
私がラルカンを安心させようとアリアスの、話をすると斜め後ろにいたアリアスが、すかさず
「‘‘小馬鹿’’ではなく本気で馬鹿だから馬鹿にしてるんですよ。間違わないでください」
と、突っ込んできたので応戦して私も
「いいえ、あなたのほうが私よりよほど馬鹿よ。この前なんて紅茶に砂糖きびそのままぶっ刺してきて私本気で『こいつ頭大丈夫かしら?』って心配したのよ。」
「あら、あれはリノ様が『人生で一度くらい贅の限りをつくしてみたいわね』なんておっしゃっていたからどうにかしてご要望に応えようと必死の思いで取り寄せたんですよ。砂糖の原料そのままとか贅の限りを尽くしまくってるじゃ無いですかぁ」
ニヤニヤしながら毒を吐くアリアスとは正反対に主への考えられない物言いに絶句しているアルカン。
「お、奥様は怒られないのですか?その…………使用人に軽口を叩かれたりしているのに」
アルカンが意外と失礼な事を申し訳なさそうに聞いてきた。
「どうして怒るの?アリアスは馬鹿だけど私別に殺されそうになってるわけじゃないし、思ってくれた事言ってもらえる方が私の為じゃない?」
「リノ様の母国、ナスラス王国は帝国に比べ遥かに小さな国でしたからね。王族と使用人の仲をとやかく言う人はそんなにいませんでしたから。」
アリアスがラルカンにうちの国がどれだけ自由気ままかを暴露していく。
「それに、特に厳格な掟があるわけでもないので国王様もよく使用人達と庭で日向ぼっこされてましたね。」
「こ、国王陛下が!?」
ラルカンがアリアスの話にとても驚くのでそんなにこの国ではいけない事なのかと思った。
「ねぇ、ラルカン。この国では使用人と話をする事はタブーなの?」
そう聞くと、ラルカンは一瞬困ったような顔をして答えた。
「そうですね。王族は軽々しく下の身分の者と口を聞くべきではないとされています。」
「そうしたら、私はラルカンとも本来喋ることができないの?」
「そうです。私のような一介の庭師が王太子妃と口を聞く、ましてや話をするなど畏れ多いことなのです。」
私は、小さく自由な国で育ったからかその感覚がどうしても理解できなかった。
私は使用人と話をしてはいけないのか。
それは、何だか寂しい気もする。そこで私はひらめいた。
「だったら、誰にもバレなければいいのね!?掟って破るためにあるでしょう?掟破りってバレなきゃ破りじゃ無いでしょう??ね!?バレなきゃいいのよ!!」
私って天才!!と自画自賛していると隣でアリアスがラルカンに話しかけた。
「………ね?馬鹿でしょう?こんなのに気を使ってるなんて馬鹿らしくなるでしょ?だから、ラルカン様も普通にリノ様と話してあげてください。」
すっごく失礼な内容だったけどラルカンが笑いながら「はい」と頷いたので多少のことは多めにめることにした。
最初にメイドたちのところに行こうと思ったのだけれどアリアスに「仕事中に邪魔されるメイド達が可哀想です。自重してください。」と言われたので仕方なく庭に出る事にした。
大陸一の大帝国バルザックの王太子とだけあって屋敷に負けず劣らず庭もご立派な事で、花何か興味ない私でも思わず感嘆の息をもらしてしまった。
「すご」
「この庭園にどのくらいお金使ってるんですかね」
「そうね、うちの国の村の運営費…以上はありそうね」
アリアスがあまりに現実的なことを言うからまともに考えてしまった。
「これは、奥様、ようこそマドリーヌ庭園へ。庭師のラルカンと申します。お見知りおきを。」
そう言って庭師のラルカンは、軽くお辞儀をした。
庭師って普通お爺さんとかのイメージがあるんだけど、(実際私の国でもそうだったし)ラルカンは20代くらいの青年に見える。
長髪の黒髪を耳の横で一纏めにしていて切れ長の目も相まってとっても色っぽい。
こりゃ女の子たちを悩殺できるだろうな、何て馬鹿なことを考えていたらアリアスに肘で小突かれた。
「あら、私とした事が余りの美しさに挨拶し忘れてましたわ。改めまして、ジウォンの妻、リナラシーエルと申します。気軽にリノと呼んでくださいね。」
外面笑顔でラルカンに自己紹介をした。
すると、クールな佇まいからは想像できないくらい焦った表情で
「と、とんでもありません。王太子妃様をその様に気軽に呼ぶなど一介の使用人にはできません。」
と、言ってくるので私は何だか可愛そうなことをした気持ちになってしまった。
「そんなの別に気にしなくていいのよ?ここにいるアリアス何て、いつも私の事小馬鹿にしてくるのだから。」
私がラルカンを安心させようとアリアスの、話をすると斜め後ろにいたアリアスが、すかさず
「‘‘小馬鹿’’ではなく本気で馬鹿だから馬鹿にしてるんですよ。間違わないでください」
と、突っ込んできたので応戦して私も
「いいえ、あなたのほうが私よりよほど馬鹿よ。この前なんて紅茶に砂糖きびそのままぶっ刺してきて私本気で『こいつ頭大丈夫かしら?』って心配したのよ。」
「あら、あれはリノ様が『人生で一度くらい贅の限りをつくしてみたいわね』なんておっしゃっていたからどうにかしてご要望に応えようと必死の思いで取り寄せたんですよ。砂糖の原料そのままとか贅の限りを尽くしまくってるじゃ無いですかぁ」
ニヤニヤしながら毒を吐くアリアスとは正反対に主への考えられない物言いに絶句しているアルカン。
「お、奥様は怒られないのですか?その…………使用人に軽口を叩かれたりしているのに」
アルカンが意外と失礼な事を申し訳なさそうに聞いてきた。
「どうして怒るの?アリアスは馬鹿だけど私別に殺されそうになってるわけじゃないし、思ってくれた事言ってもらえる方が私の為じゃない?」
「リノ様の母国、ナスラス王国は帝国に比べ遥かに小さな国でしたからね。王族と使用人の仲をとやかく言う人はそんなにいませんでしたから。」
アリアスがラルカンにうちの国がどれだけ自由気ままかを暴露していく。
「それに、特に厳格な掟があるわけでもないので国王様もよく使用人達と庭で日向ぼっこされてましたね。」
「こ、国王陛下が!?」
ラルカンがアリアスの話にとても驚くのでそんなにこの国ではいけない事なのかと思った。
「ねぇ、ラルカン。この国では使用人と話をする事はタブーなの?」
そう聞くと、ラルカンは一瞬困ったような顔をして答えた。
「そうですね。王族は軽々しく下の身分の者と口を聞くべきではないとされています。」
「そうしたら、私はラルカンとも本来喋ることができないの?」
「そうです。私のような一介の庭師が王太子妃と口を聞く、ましてや話をするなど畏れ多いことなのです。」
私は、小さく自由な国で育ったからかその感覚がどうしても理解できなかった。
私は使用人と話をしてはいけないのか。
それは、何だか寂しい気もする。そこで私はひらめいた。
「だったら、誰にもバレなければいいのね!?掟って破るためにあるでしょう?掟破りってバレなきゃ破りじゃ無いでしょう??ね!?バレなきゃいいのよ!!」
私って天才!!と自画自賛していると隣でアリアスがラルカンに話しかけた。
「………ね?馬鹿でしょう?こんなのに気を使ってるなんて馬鹿らしくなるでしょ?だから、ラルカン様も普通にリノ様と話してあげてください。」
すっごく失礼な内容だったけどラルカンが笑いながら「はい」と頷いたので多少のことは多めにめることにした。