あ、いけないいけない、また思い出す所だった



消した過去だから、思い出しちゃいけない



今を見なきゃ!




と思っていたその時

「ただ今、人身事故が一本前の電車で発生し、ダイヤが乱れております。
お急ぎの方は・・・」



車内アナウンスに全員がざわつく


もちろん私もその1人。


人身事故だなんて、お気の毒に・・・


走っていた電車が駅に着くとイライラ顔の大人達がすたすた降りていく



でも私は・・・


絶賛スマホとにらめっこ中!



電車の路線調べてるんです!



こういうの、苦手で・・・


えーと、今の時間入力して・・・



「おい、あんた」



これ、列車の車両とか入力は・・・しなくていいのか



「なあ、聞いてる?」



あ!駅名入力しなきゃ



「聞いてますかー?」



この駅がどこか、看板を探そうと思って顔を上げると



「やっと気づいた?」



「古川君・・・!!!」


愛しの古川君が不思議そうに私を見つめていた



「何してんの?遅刻するから乗り換えしないとだろ?」



「ああ、古川君・・・
本当に良かった・・・」




「は、何?え、どうした」



「実はね、今日駅で君を見かけなかったから、心配してたの!」



「は?何、俺を探してたの?」




「うん。当たり前〜」



古川君には自分の気持ちを伝えたから、今は頑張ってる最中



「キモ」



「分かってる!分かってるよ、だけど・・・」



「とにかく早く降りるぞ」



んー、なんか無視されました、よね?




まあでも、電車も乗り換えしなきゃだから、早く降りるに越したことはないか!



こんなことで傷つく私ではない!ハッハッハ