その日の仕事を終え、時計を見ると午後7時半。


周りにはもうほとんど社員が残っていなかった。


「唯川さん、終わったの?」

「はい。川瀬チーフはまだかかりそうですか?」

「ううん、大丈夫。俺も今終わったところ。」

「なら良かった。今日も1日お疲れ様でした。」



そう言って帰ろうとした時。



「待って!」

「え?」

「駅まで一緒に帰らない?」