その女性は後々亜希子という名前だとわかる、僕たちは毎日少しづつ近づいて行った。ガーベラ一本を買って帰る客。妙なもんだよな、たぶん彼女からしてみたら。
ある日僕たちはそういう体の深い仲になった、薄明かりに照らし出された彼女の背中を見て目を見張った、(刺青・・・)きれいな観音像の彫り物だった、聞けば男に騙されて借金の肩代わりをし、その流れで風俗で働き、やくざがらみになり彫り物をほられたとのことだった。

僕は彼女のために大粒の涙を流した。つらかったろ、つらかったろかわいそうに。

泪があふれて止まらなかった。「君その刺青を消したいと思わない?」「消したいけどどうやって」「僕の知ってる医者にレーザーで消してくれる医者がいるその人を頼ればいい」「お金は?高いんでしょ?」「出してあげるからみんな」

そう言い切って涙をまた一粒二粒ながした。

ある朝、僕たちはその刺青を消す医者のところに2人で出かけた、「派手にほってますね」「はあ」「消すの4時間かかりますよ」「痛むんですか?」「はい少し」

まず麻酔を打ってレーザーのベッドに寝かされた彼女は不安そうな顔を見せた。


僕がいるから僕がそばにいるから。そういってそっと彼女の手を握った。


4時間くらいたったろうか多少ケロイドという形で跡は残ったけど彫り物は全部消えていた。


「痛かった?」「少しちくちくした」そういって彼女は明るい顔をみせてくれた。

「これで過去を捨てるんだ」「はい」「これからは騙されちゃダメだよ悪い男に」