白の花柄のワンピースを着てお腹を抑えてる女子をみて察した。 ああ新田娘だ、と。

年齢は俺と同期か1つ下だろうか。 とりあえず美人とも取れるし可愛い系とも取れる整った顔をしている。

そして、香ってくるケーキみたいなバニラみたいな甘い匂い。だけど甘ったる過ぎない程よい香り。 なんか食べたくなってきた。ケーキを。


俺と目があった新田娘は俺を見て目を見開いた。 ぱっちり二重の目が見開くと少し飛び出してるみたいだな、と思っていると新田娘は「だ」と奇声を発する。



「……だっ、」

「…だ?」



だ、ってなんだ? 最近の女子高生は略すのが多くて『了解』のことも『り』と言うとさかもっちゃんが言っていたが『だ』ってなんだ?

そういえば今日、ファミリーレストランでご飯を食べていた時に後ろの席の女子高生4人が『大根足』について語ってたな。

……もしかして『だ』って『大根足』のことなのか?

今度さかもっちゃんに聞かないとな、なんてぼんやり思いながら新田娘に軽く会釈をして横を通り過ぎようとした刹那。



「だいすきですっっ!!」



廊下にその言葉が響き渡った。