結局その日はコンビニには行けなかった。
あそこに誠也さんがいなかったら…。
これからもあんなのに遭遇するのかと思うと憂鬱。
誠也さん、怒ってるかもしれない。
私の頭にはある言葉がずっと残っていた。
『誠也を怒らせるな────────』
私、殺されるかな。
そんな訳ないのかもしれないけど
私は誠也の事を詳しく知ってるわけじゃない。
だから、こんなに不安になるんだ。
「琴────」
振り向くとそこにはドアの近くに立っている大凱。
その顔は険しい。
「え。なに」
恐ろしい顔をしながら近づいてくる大凱。
「────誠也がお前を呼んでる。」
恐れていたことが起きた。
誠也さんが私を呼んでるなんて怒られる以外に何があるの。
「4階行け」
行け。って命令形。
でも逆らったら何があるかわかってる私は仕方なく螺旋階段へ向かった。
あれかな。
やっぱり。
彼女と2人でいたから怒ってんのかな。
「大凱、私、誠也さんに殺されるかな」
そういうと大凱はため息をついた。
「お前、誠也をなんだと思ってんだよ」
何って…。
「夜華の1番偉い人」
「誠也は理由もなく人を殺さねぇよ」
私はこの言葉を信じることができなかった。
怖い。
その思いが私の心を怯えさせていた。