恋をしたのは、いつのことだろう…
高校生、それは辛くて、仕方のない時間(と
き)…
でもそれとは裏腹に青春の時間である…
これは人生初、恋をした女の子の話である…
「あーあ、またテスト…か~」
と百合がため息をつく。百合が使う通学路はほとんど人が通らない。通ったとしても同級生で皆百合のことをバカだと思っているから、あいさつもしない。
「まぁいつものことか… 暗くてもしょうがない!!前向きでいよう!!そうすればいつかは…!」
百合はいつも前向き。確かにテストは、いつも0点に近い。百合はわかっている。自分がバカなことくらい。皆は冷たいどころか、話すことさえ構ってくれない。そんな日々が続いていた。それよか高校生の中でバカ…かもしれない。ほどだった…
ある日百合の気持ちをいっぺん変えたことが起きた。朝百合がため息をついていると、
「どうした? なんかあったなら俺にいってごらん?」
温かく、優しい声が百合を包み込んだ。
「暗い表情(かお)してっからこっちが心配になんじゃん?もっと明るい表情してようぜ~!頑張れ。」
「ごめんなさい…私、ちょっと…」
百合は心配かけないよう一生懸命言葉を見つけようとしたがムリだった。
「そういえばだけど、君、可愛いじゃん!!ねぇ、メアド教えてよ」