鼻と耳を真っ赤にさせながらマフラーに口元を埋めるレンの視線は、私が手にしている手紙に注がれていた。


嗚呼、寒さに耐えてつつも何か考えてる鋭い視線さえも、カッコ良いなぁ....なんて、突然彼が現れて驚いている胸の高鳴りのせいか、そんなことを思ってしまう。


好きな人が話し掛けてくれた熱に侵されながら、私は手にした手紙をヒラヒラと左右に振った。



「ああ、コレね。なんか、私宛の手紙っぽい。でも、差出人の名前が無いんだ。ちょっと気持ち悪くない?」

怖がる私を他所に、レンは白い息を吐きながら、「ラブレターかよ」と冷やしてくる。


「開けてみれば?」

「えー、うーん....」

「俺も一緒に見てやるから」

「....分かった。レンがそう言ってくれるなら」


幼馴染みの彼にそう促され、渋々手紙の封を開ける。


(一体、何が書いてるんだろう )


中に入っている紙を広げる前にくしゃみをすれば、肩にジャージを被せてくれた。

「ん、ありがとう」

寒さでかじかむ手で紙の質感を確かめながら、ゆっくりと広げていく。

「えーっと、なになに....」


そこに、書かれていた文字とは。