スタスタスタスタ

「優愛!違うんだよ!」

待ってよ。あれは青雨が勝手に言ってるだけなんだよ。

「優愛!待ってっ!」

グイッ 無理やり優愛の腕を引っ張った。

「…なに?」

あからさまに不機嫌な顔の優愛がそこにはあった。

「私との約束なんて最初からなかった事なんじゃないの?!」

「違っ…」

「いいよ!無理しなくて。青雨との約束の方が大事なんじゃないの?予定が入ってるのに私との約束OKしてっ!」

違う。違うんだよ。無理なんてしていない。青雨のバカ。なんで、あんなこと言ったの?!

「なんで何も言わないの?…離してよ。手。」

私は優愛の腕を思い切り掴んだままだった。

「あ、ごめん。」

そのまま何も言わず、優愛はその場を去ってしまった。

「うっ…うぅ。ゆ、いぃぃ。ごめっ、んっ。」

私はその場で泣き崩れた。