「あたしは別れたくない!ずっと咲夜(サクヤ)といたい。あたしの何がだめなの?」

上目使いで縋る様な視線で訴える美桜を見て深い溜息を吐きたくなる。
 
 「お前、マジで面倒くさいわ」
気だるげに壁に背を向けながら冷たく言い捨てる俺に美桜は、信じられないのか1歩後ずさりショックを隠しきれないでいる。
 
 「面倒くさいって何!?あたしはこんなに咲夜の事好きなのに!!」

 「喚くなよ、うるせぇーな。俺の事、好きとか言ってるけどお前、俺に嘘吐いてるだろ」

そう言うと、美桜は俯き目が泳ぎはじめ平静を装う気でいるのか何も知らないみたいな顔で
 「何の事?あたし、咲夜に嘘なんて吐いていないわ」
まだ嘘吐く気かこの女・・・。
 「昨日の夜19時、何してた?」
唐突な俺の言葉に美桜は言葉を失う。

 「言えるわけねぇーよな?俺のダチがお前の事見かけたらしいよ。繁華街で。
しかも、高校の制服着てたって俺に笑いながら話してくれてさぁ・・・。お前、何歳だよ?確か、俺と初めて会った時22歳だって言ったよな?」