『う、そ……』

『嘘じゃない』


もう一度しっかり抱きしめられて、止まっていた涙がほろほろこぼれ落ちた。

でも…よかった。

安心感に胸が震える。


『バカ充…!順序間違えすぎだよ…』

『…ごめん』

『…でも嬉しい。ずっと一緒…なんだよね?』


傾いてきた太陽が、最後の輝きを見せる。

すべてが赤に染まっていく。

充の瞳が、髪が輝いている。

夕焼けに負けないくらい輝く笑顔を見せた。


『あぁ、一生離さない』


初めてのキスは、温かくて、涙の味がした。