「春山はさぁ、あーゆーの怖くないの?」

飲み物を四つ買って、二人のとこへ戻る。

「ちょっと、な。…てか、あさかビビりすぎな!」

春山は無邪気に笑う。

かわいい、とか。

ふふ、

春山が、

あさか

って呼ぶ度に、胸がキューって苦しくなる。

……うぅ、心臓に悪い。

……でも、それなら、

私も、呼んだほうが。

なんて。

いやいや、カップルじゃああるまいし。

そうこうしてるうちに、

あやと、藤阪くんのところへついた。

「おー、ありがと」「ありがと!」

ジュースを渡して、4人でベンチに座る。

同じ学校の人が前を通り過ぎる。

ふぅ……。

つかれた。




そして、いろんなところをまわって、

集合時間になり、今日は終わった。



〜〜

お風呂からあがり、

あやと約束していた星を見に行く場所に行く。

確か、3回ロビーだっけ……。

エレベーターにのり、

あがると……。

……あれ。


「春山?なにしてんの?」

春山がいた。

なんで。

「あー、来たきた。また、あやってやつにあさかをよろしくって。言われた」

……あやが?

もしかして、

気、使って……。

ありがとう、あや。

春山はそう言って、私を見る。

「星、見よっか!」

私が笑ってそういうと、春山も笑って、うなづいた。

ベランダにでると、

濃紺の空が広がっていた。

そして、宝石を散りばめたように、

星がキラキラと輝いていた。

月も、まるい大きい。

「す、っごいね」

「うん、これはやべえ」

春山も感動してるようだった。

京都にはあかりが少ない分、多く、星が見える。

春山のほうをチラリと見ると、

春山は真っ直ぐに空をみていた。

綺麗な金の髪が、

星の色と同じように見えて。

私は春山の綺麗な横顔と金色の髪に魅入ってしまった。

「…あの、さ、……そんなに見られると」

春山は見られてることに気づいていたのか、

顔を腕で隠してそう言う。

「ん、わっ、ごめん!!」

顔をそらす私。

春山は顔をふせたまま、

「あと、俺はあさかってよんでんのにあさかは俺のこと名前で呼ばないのか?」

と言う。

おんなじこと、

思ってた────。

「よ、よびたい!ほ、んとうは呼ぼうと思ってたんだけどね……かくかくしかじか……っていうか。」

テンパってしまって、

自分がなにを言っているか分からなくなる。

「うん、じゃあ、これから呼んでな。」

……とくん。

春山は星の下で柔らかい笑みを浮かべる。

……どきん、どきん。

鼓動がはやくなる。




「た い よ う」




そっと、呼ぶと、

春山は、

「ははっ、破壊力すげえな!」

と、笑った。

何が何だか分かんないけど、

春山は多分、喜んでる。

そんな春山を見て、

私は嬉しくなった。

星色の君の髪の毛。

綺麗な横顔。

はじめてみせた優しい微笑み。


一緒に入れて、良かった。

ありがとうね、あや。

いい思い出、

作れたなぁ。

その後、

星空をバックに、私と……太陽ははじめて写真を撮った。

2人だけがうつった。

LINEを交換して、

画像を送ってもらって。

なんだか、今日はいいことずくし。


もちろん、撮った画像は、携帯のホームに設定しておいた。

太陽、ダイスキです。