次の日。

さて、交流旅行二日目です!

今日は、昔の風景が題材になった、ムービー村に行くんだ!(映画村をもとにしています)

お化け屋敷とか、いろんなアトラクションがあるんだって!

楽しみだなあ。

班の人とまわるんだ。

もちろん、春山もいる。









「何乗る!?!」

遊園地についた私達。

あさあやはテンションMAXです!

「あはは〜、元気元気だ」

春山のお友達、藤阪くんが言う。

藤阪 律斗(フジサカ リツト)くん。

綺麗な顔、すこし、チャラそうな感じ。

でも、女の子に優しくてモテモテなひと。

「藤阪くんも、行こうよ!」

わたしが声をかけると、

ニコリと笑ってうなづく。

いろんなところをまわってるとあるところにたどりついた。

「でた、お化け屋敷……」

そこは、怖いと有名のお化け屋敷。

まだそこまで行列はできてなかった。

「よーし、行こう!」

あやがいう。

あやってば、こーいうの好きだもんね。

みんなもあやについていく。

「あ、春山…は、こういうのいける?」

春山と今日、はじめてしゃべった。

ドクドクと胸がうるさい。

「別に」

春山は動揺するもなく、真顔で答える。

「そか……。」

なんとなく、なんとなくだけど、

冷たいようなきがして寂しくなった。

私たちの番が回ってきた。

「それでは、行ってらっしゃい」

係員のひとのなれた声を背にお化け屋敷へと入る。

真っ暗。

少しの灯がたより。

和風の作りで、

人形がおいてある。

やば。

ちょっと、むり……

あやは、藤阪くんを横に整然と歩き出す。

……。

うん、行くしかない!

こんなとこで叫んでも、私の元気、なイメージがこわれる!

女の子って感じでもないのに……。

そう思って足をすすめる。

ズラリと並んだ人形が私たちをジッとみつめる。

「こわ……い」

ポツリともれた本音。

小さすぎて多分、誰にも


届かなかったはず

だったのに。

「服つかんどいて」

春山の声がした。

「え……?」

「あー、もう」

春山は小声でなにかブツブツとつぶやくと、

わたしの手をフワリとにぎる。

……!??!

あ、れ

そんな、とき

「お、ね、ぇ、ちゃ……ん」









「キャーーーーーーッ!!!!」






その声は耳元で聞こえたような気がして、私は大きく叫んでしまった。

あやも、藤阪くんもこっちを見る。

「あ、あさちゃん……うしろ」

藤阪くんの顔は読み取れないけど、

藤阪くんはたしかに、うしろといった。


う、しろ。

「……っやー!!!!!」

私が逃げ出そうとすると、

スルリと春山から、手は離された。

そして、

ガッ

と、無理やり腕を組まされる。

「お前な、うるせえんだよ、こっちの身にもなれ。……行くぞ」

颯爽と春山は私の腕を組み、歩く。

温もりが伝わって、少しだけ、

怖さが減ったような気がした。


そのあともたくさんのおばけ。

でもその度に、腕を組んでくれる春山。

優しいなって思ったよ。





お化け屋敷をでると、

あやあさはボロボロになってた。

あやは疲れ果て、私は泣き顔。

藤阪くんは苦笑い、春山はニヤニヤと笑ってた。

「けっこー怖いな、これ。」

春山は髪の毛をいじりながら言う。


こわ、かったー。

「ふ、あさちゃんだいじょぶ?」

藤阪くんはクスクスと笑う。

「うぅ、藤阪くんまで馬鹿にして!」

「ははっ、ごめん!」

私がそうやって笑っていると、

「あさか、のみもん買いに行こ」

と、春山が言った。

え、。

「う、うん!行く…!」

お誘い、だ。

やった。

しかも、ちゃんと


あさか


って呼んでくれた。

嬉しくなる。

トコトコと歩く春山の背を追いかけた。