今日の講義は3つ、今日一つ目の講義は10時から始まる。
終わりは4時過ぎになるだろう。今日の一つ目と三つ目の講義はどうしても外せない科目だ。
この講義はレポートの提出だけは単位は取得できない。
ましてこの講義は代返を頼んでも、後で窮地に立たされるのは僕自身であることをよく理解している。
でも、二つ目の講義はレポートさえ提出していれば確実に単位はもらえる。
僕は二つ目の講義をさぼった。そして、教育学部のある校舎へ足を向けた。
初めて入る学部の校舎、同じ大学なのに学部が違うと、その雰囲気や空気まで違うように感じられた。
きょろきょろしながら廊下を歩き、目に付いた何人かに 3年の今村沙織が今何処にいるか訊いた。
でも、芸能人学生の様に名が知れ渡っている訳でもなく、彼女を知っている学生はいなかった。
諦めて校舎を出ようとした時、後ろから呼び止められた。
「ちょっと、沙織の事訊き回っているのは貴方」
振り向くとそこには、肩まである髪に緩いパーマをかけたような、癖っけのある髪の女性が立っていた。
「あ、沙織さんの事ご存知なんですか」
僕は何気なくその女性に彼女を訊いた。
すると、その女性は眉をキッとさせ強い口調で僕へ向かい言い放つ
「貴方、沙織の事訊き回って沙織をどうしようとしてんの」
その声に近くにいる学生達が足を止め、その視線を全て僕に向けさせた。
「ど、どうしようって、僕はただ今村さんがこの教育学部にいるって訊いたから、その、何て言うか……」
しどろもどろになる僕と、それを足を止めて見る学生たち。この光景に、その彼女もさすがに罰が悪そうにして。
「ちょっと貴方こっちに来て」
終わりは4時過ぎになるだろう。今日の一つ目と三つ目の講義はどうしても外せない科目だ。
この講義はレポートの提出だけは単位は取得できない。
ましてこの講義は代返を頼んでも、後で窮地に立たされるのは僕自身であることをよく理解している。
でも、二つ目の講義はレポートさえ提出していれば確実に単位はもらえる。
僕は二つ目の講義をさぼった。そして、教育学部のある校舎へ足を向けた。
初めて入る学部の校舎、同じ大学なのに学部が違うと、その雰囲気や空気まで違うように感じられた。
きょろきょろしながら廊下を歩き、目に付いた何人かに 3年の今村沙織が今何処にいるか訊いた。
でも、芸能人学生の様に名が知れ渡っている訳でもなく、彼女を知っている学生はいなかった。
諦めて校舎を出ようとした時、後ろから呼び止められた。
「ちょっと、沙織の事訊き回っているのは貴方」
振り向くとそこには、肩まである髪に緩いパーマをかけたような、癖っけのある髪の女性が立っていた。
「あ、沙織さんの事ご存知なんですか」
僕は何気なくその女性に彼女を訊いた。
すると、その女性は眉をキッとさせ強い口調で僕へ向かい言い放つ
「貴方、沙織の事訊き回って沙織をどうしようとしてんの」
その声に近くにいる学生達が足を止め、その視線を全て僕に向けさせた。
「ど、どうしようって、僕はただ今村さんがこの教育学部にいるって訊いたから、その、何て言うか……」
しどろもどろになる僕と、それを足を止めて見る学生たち。この光景に、その彼女もさすがに罰が悪そうにして。
「ちょっと貴方こっちに来て」