君と出会った、中学一年の春。
あの時から、私は少しづつ、変わっていってたのかもしれない。
今思うと、どうしてこんな人を好きになってしまったんだろうって、思う事ばっかだけど、
好きにならなきゃよかった。
とは、一度も思わなかった。
……___ダンッダンッダンッ…__
……__キュッ…ダンッ…__
「あっ…いた…っ」
水無月和葉。中3で、弓道部のキャプテンやってます。
放課後、いつも決まってこの渡り廊下を歩いて、部室に向かうのが日課。
部員よりも早めにね。
ん?なんでかって?それはねっ…
「よっ和葉」
といって、体育館から出てきたそいつは、私の頭に腕を置いて腕置きにしてきた。
「ちょっ重いっつの…」
そう、こいつ、
「あれ?誰が喋ってんのかな〜?」
なんて悪戯っぽく笑ってるこいつ!
「どけろって……颯真ぁ!!」
__ベシぃっ!
私は思いっ切り腕をあげどける事に成功したが、その腕が見事に颯真の顔面に直撃したらしい。
「いってぇな!もーすこし優しくしろよ!」
「それはこっちのセリフよ!」
まったくいつもいつもこいつは…っ!
あ、そうだっ颯真の紹介してたの忘れてた!
私と同じ中3の新村颯真。バスケ部の副キャプテン。
背は高いし、誰にでも優しくて、頭も運動神経もいいからみんなにすっごく人気があるんだよ!
私にだけは意地悪なんだけどね……。
部活も違うし、クラスもちがう私達が何でこんなに仲いいのかというと…__