嗚呼…とても、憂鬱だ。
鉛のように重い足を、前へ前へと進めた。
「おい、吉田!」
僕の名前を呼ぶ声が背後から聞こえた。
振り向くと、ニヤッと笑った女子。
こいつは、とにかく太い。でぶい。
とても、醜い。
脂肪で脂ぎった顔に、ゴテゴテのメイクでより一層醜い。
そして太い太い足を、短いスカートから覗かしている。
髪は金に染めているが、こんな奴には似合いもしない。
とにかくだ。
僕はこいつが嫌いだ。
その容姿の期待通りに、性格も腹黒く醜い。
だから僕はこいつをこう呼ぶ。
腹黒豚、と。
第一印象がまさに、この名前の通りだったな。
「おい吉田!聞いてんのか?」
僕は無視…せずに、「い、いや、聞いてるよ。」と答える。
「ふん、前を歩くなや!どけくそ。」
ズカズカと、がに股で歩く腹黒豚。
「っ!」
ついでに肩を強く叩かれた。
「邪魔だっつってんだろ!」
「……」
「あぁ?なんだよそのキモい顔は。」
「… 」
「チッ、死ねよ邪魔。」
はーあ、これだから僕は憂鬱なんだ。