ふと、教室から見える校庭に目が行った。
一人、歩くその姿。
彼の背中はとても小さく見えた。

ああ、あの人も一緒だ。

私は、唐突にそう思った。でも、そう思っただけだった。

空は悲しい位に澄んでいて、泣いているようだった。

でも、思っただけだった。

そう。何もない。


ただそれだけ。


私はまた前を向いた。


これが君との出逢い。




でも、この頃の私は、これからの君との時間には気付いていなかった。






大切な人が出来ることで、輝く日々がある。

そう教えてくれたのは、君でした。